SMasjed-e Imam Mosque

卒業制作(イスラム建築)・・・に於いての後日談

 短大(社会人入学)の卒業制作、締め切りにあと1ヶ月あるかどうかというかなり切羽詰まったときの出来事。今となっては、幻のように思えるのですが、でも、リアルな体験をしました。
 イスラムの建築を調べるうち、イスラムの紀元や宗教の始まりも当然ながら背景として研究します。世界の広い地域にこれだけのモスクと信仰を広めたのは、他の宗教への迫害と侵略、征服がありました。歴史上、新しい王朝を築くということはどの時代でもどの世界でもこのような対立はありますが、事実を目にしたときはかなり衝撃的でした。
 なんて素敵な紺碧色!なんて美しい幾何学模様!ムカルナスってなんて神秘的!などキラキラした憧れがこの研究の入り口。それが、自分の宗教を広げるために、以前から他を信仰している土地や人々を力でねじ伏せ広めていくように私には感じられた歴史的背景に、図書館でショックを受けたのでした。鉛筆を持つ手が急激に萎えて行くのを覚えています。
 レポートも完成間近、あとは模型の仕上げだけという矢先、あまりのショックに本気で研究の対象を変更しようかと悩みました。 気力も失せてお先真っ黒、純粋な(笑)心は打ち砕かれ、その日からなんと4日間も約40℃の高熱にうなされました。 今まで熱など出した事がなかったので、とてもしんどい思いでした。
 そして夢か幻か、私が寝ている周りで黒装束の異国の人々が何か話をしているではありませんか。日本語でもない、英語でもない、聴いた事のない言葉でしきりに私を囲んで話をしているのです。怖くて恐ろしくて、これは古代のイスラムの人々ではないかと直感しました。ほどなくして熱も下がるのですが、美しいものは美しいに変わりはない、背景はどうあれ。無理矢理自分を納得させ、気持ちも新たに思い直して、このなんとか最後まで取り組みました。
 今となってはいい思い出かな?なんちゃって☆